えっへっへ、お気づき?
首に巻いていたのはマフラーじゃありません。
☆
お家に入れてもらえて、まず最初にされたことはお風呂でした。
「ノミは確実!汚れもひどいから、特別シャンプーだぁ!」と
おねえはお犬兄さんたちのお肌改善用に使っていたティートリーのシャンプーを取りだし
ごしごしごしごし と洗ってくれました。
・・・私はなるべく大人しくしてました。引っ掻かなかったよ。
そうしてドライヤーという恐怖のブンブンをかけられて真っ白になった私は
「千代ちゃん」と囁かれました。
おねえとおねえのおねえが私が裏の雑物置き場に越した頃から
ひっそりとつけていた名なんだって。
和顔なので「千代」だね。って。
でも、これもおねえのおかあしゃん、つまり
おねえのおねえのお姑さんの一声によってポシャリました。
おかあしゃんは言いました。
「お千代さん。お千代さん。・・・やっぱり果物がいいわ。そう、林檎!」
リンゴはおかあしゃんの大好物です。
で、私は「林檎(仮)」と呼ばれることになったのです。
・・・
それからおねえはすぐにインターネットの迷子猫サイトに登録しなおしてくれました。
(裏にいる時に、写真無しで登録しておいてくれたんだって。)
そうして、街の中を「迷子猫さんの張り紙はないかしら?」と見てくれて
そうして何日かたちました。
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